人見知りの子どもの
撮影について
Q. 人見知りの子でも撮影できますか?
——できます。ここでは、なぜ大丈夫なのか、実際に何をしているのかを、できるだけ具体的に書きます。
まず、遊びます
初めての場所は、大人でも緊張します。まして小さな子どもにとっては、知らない部屋に、知らない大人がカメラを持って立っている——それだけで十分に不安なことです。
だから、着いてすぐにカメラを構えることはしません。まずはその場に、そして僕自身に慣れてもらう時間をつくります。遊びから始めることが多いです。これは撮影の準備ではなく、撮影そのものの一部だと思っています。
この時間を惜しんで急いでしまうと、表情はこわばったまま、時間だけが過ぎていきます。遠回りに見えても、慣れる時間を先に取ったほうが、結局は自然な表情に早くたどり着きます。
遊びながら、撮っています
「ここからが撮影です」という区切りは、あまりありません。
その子が興味を持ったものに、こちらも一緒になって乗っかります。そうしているうちに、だんだんこちらを気にしなくなって、その子らしい表情が出てきます。
子どもと遊んでいたら、いつの間にか写真が撮れていた。そのくらいの感覚です。
「笑って」と声をかけ続けると、笑顔ではなく、笑顔をつくろうとしている顔になります。それは狙っている表情ではありません。
緊張して固まってしまう顔も、恥ずかしそうにうつむく顔も、その子のその日の姿です。無理に引き出した笑顔より、自然に出てきた表情のほうを選びます。
泣いてしまったら
人見知り、場所見知りで泣いてしまうのは、成長の途中でごく自然に起きることです。無理に泣き止ませようとはせず、少しずつ場に慣れていけるよう、ペースを落として進めます。
慌てて進めることはしません。抱っこしてもらったり、少し休んだり。落ち着くまで待ちます。
泣いていた時間があったからといって、その日の撮影が失敗だったことにはなりません。むしろ、泣いた顔と笑った顔の両方が残っているほうが、後から見返したときに、その日のことをよく思い出せます。
親御さんに、お願いしたいこと
撮影中は、いつも通りに接していてください。「ちゃんとしなさい」「笑って」と声をかけたくなる気持ちはよく分かりますが、それが逆にお子さんを緊張させてしまうことがあります。声かけはこちらでしますので、任せていただいて大丈夫です。
持ってきていただきたいものがあります。いつも遊んでいるおもちゃや、いつも触っている落ち着けるグッズです。見慣れたものが手元にあるだけで、初めての場所への不安がやわらぐことがあります。歴代のお気に入りを並べて撮るのも、それはそれで良い記録になります。
しなくていいこともあります。無理に笑わせようとしたり、じっとさせようとしたりしなくて大丈夫です。うまくいかなくても、それは失敗ではありません。